医療保険の用途

医療保険
医療保険の用途

医療保険には以下のような用途があります。

  • ・病院を受診するとき
  • ・高額療養費制度
  • ・出産一時金
  • ・出産手当金
  • ・傷病手当金
  • ・埋葬料

病院を受診するとき

病気やけがなどで病院を受診する際に、保険証を提示することで決まった負担割合を支払うことで医療を受けられます。

例えば10000円の診療費がかかったとしても、3割負担の人ならば

10000 × 0.3 = 3000

となって3000円を病院の窓口で支払えばいいということになります。

残りの7000円は皆さんが支払っている社会保険料で作った財源から病院に支払われます。

ただ実際は、社会保険料では足りず税金などからも支出しています。

保険証は公的医療保険に入っている証明書のようなものです。

負担割合は主に年齢によって決まります。

burden-rate

ただし、社会福祉の「乳幼児医療費助成制度」「子ども医療費助成制度」により、15歳までの子供は医療費の支払いを一部もしくは全額免除されることも多いです。

全額免除だと負担なしなので支払いなしということになります。

これらは自治体によって援助されているので、内容は住んでいる場所によって異なります。

70歳以上の現役並所得とは目安として年収約370万円以上です。

(※75歳以上の負担を2割にする方向で政府は動いていて、今後負担増の予定のようですので、変わるかもしれません。)

高額療養費制度

一か月あたりの医療費の自己負担額が高額になった場合、上限以上は負担しなくていい制度です。

要は定められた上限までしか負担しなくていいということです。

上限は年収によって変わります。

上限は以下の通りです。

1ヶ月の自己負担額上限

所得区分 1ヶ月の自己負担額上限
年収約1160万円~ 252,600円 + (その月の医療費-842,000円) × 1%
年収約770万円~年収約1160万円 167,400円 + (その月の医療費-558,000円) × 1%
年収約370万円~年収約770万円 80,100円 + (その月の医療費-267,000円) × 1%
~年収約370万円 57,600円
住民税非課税者 35,400円

✽多数利用(4ヶ月目から)

所得区分 ✽多数利用(4ヶ月目から)
年収約1160万円~ 141,000円
年収約770万円~年収約1160万円 93,000円
年収約370万円~年収約770万円 44,400円
~年収約370万円 44,400円
住民税非課税者 24,600円

(※多数利用とは、直近12か月の間に高額療養費の支給を3か月以上受けている場合は、4か月目以降は自己負担額がさらに軽減されます。)

この高額療養費制度があるため、医療費の負担が青天井で大きくなることはありません。

この制度は被保険者である国民にとって、とても心強いセーフティーネットになっています。

数字は覚える必要ないですが、この制度の存在は必ず頭に入れておきましょう!!

出産一時金

1児を出産につき42万円支給されます。

出産手当金

出産のため仕事を休んだ場合、出産前は42日間(多胎妊娠の場合は98日)・出産後は56日間を上限に元々の給料の約2/3が支給されます。

この制度は健康保険にはありますが、国民健康保険にはありません

給料の2/3と覚えておけば基本的には問題ないとは思いますが、出産手当金の正確な計算

一日の支給額

=支給開始日以前の12か月間の各月の標準報酬月額の平均÷30日×2/3

このあたりは飛ばしても大丈夫なのですが、「標準報酬月額」というのは健康保険の話においてよくでてくる言葉なので一応説明しておきます。

面倒な人は飛ばしてください。

~標準報酬月額~

標準報酬月額は、報酬月額を標準報酬月額表にある等級区分にあてはめれば決まります。

イミフメイデスネ・・・・

報酬月額とは何か?からいきましょう。

報酬月額とは

会社が社員に支払う1か月分の給与額の総額

のことです。

ここで注意が必要なのですが、報酬月額には基本給だけではなく、各種手当(通勤手当・残業手当・役職手当など)も含めて合算します。

この報酬月額を以下の表に当てはめて標準報酬月額が決まります。

等級 標準報酬月額 報酬月額
以上 未満
1 58,000 ~ 63,000
2 68,000 63,000 ~ 73,000
3 78,000 73,000 ~ 83,000
4 88,000 83,000 ~ 93,000
5 98,000 93,000 ~ 101,000
6 104,000 101,000 ~ 107,000
7 110,000 107,000 ~ 114,000
8 118,000 114,000 ~ 122,000
9 126,000 122,000 ~ 130,000
10 134,000 130,000 ~ 138,000
11 142,000 138,000 ~ 146,000
12 150,000 146,000 ~ 155,000
13 160,000 155,000 ~ 165,000
14 170,000 165,000 ~ 175,000
15 180,000 175,000 ~ 185,000
16 190,000 185,000 ~ 195,000
17 200,000 195,000 ~ 210,000
18 220,000 210,000 ~ 230,000
19 240,000 230,000 ~ 250,000
20 260,000 250,000 ~ 270,000
21 280,000 270,000 ~ 290,000
22 300,000 290,000 ~ 310,000
23 320,000 310,000 ~ 330,000
24 340,000 330,000 ~ 350,000
25 360,000 350,000 ~ 370,000
等級 標準報酬月額 報酬月額
以上 未満
26 380,000 370,000 ~ 395,000
27 410,000 395,000 ~ 425,000
28 440,000 425,000 ~ 455,000
29 470,000 455,000 ~ 485,000
30 500,000 485,000 ~ 515,000
31 530,000 515,000 ~ 545,000
32 560,000 545,000 ~ 575,000
33 590,000 575,000 ~ 605,000
34 620,000 605,000 ~ 635,000
35 650,000 635,000 ~ 665,000
36 680,000 665,000 ~ 695,000
37 710,000 695,000 ~ 730,000
38 750,000 730,000 ~ 770,000
39 790,000 770,000 ~ 810,000
40 830,000 810,000 ~ 855,000
41 880,000 855,000 ~ 905,000
42 930,000 905,000 ~ 955,000
43 980,000 955,000 ~ 1,005,000
44 1,030,000 1,005,000 ~ 1,055,000
45 1,090,000 1,055,000 ~ 1,115,000
46 1,150,000 1,115,000 ~ 1,175,000
47 1,210,000 1,175,000 ~ 1,235,000
48 1,270,000 1,235,000 ~ 1,295,000
49 1,330,000 1,295,000 ~ 1,355,000
50 1,390,000 1,355,000 ~ 

例えば報酬月額が400,000円の人だとすると、等級は27のところに当てはまりますので、 標準報酬月額は410,000円となります。

傷病手当金

病気やけがで仕事を連続して3日以上休んで給料を得られない場合、4日目以降から最大1年半の間、元々の給料の約2/3が支給されます。

この制度は健康保険にはありますが、国民健康保険にはありません

傷病手当金の正確な計算方法は

一日の支給額

=支給開始日以前の12か月間の各月の標準報酬月額の平均÷30日×2/3

となります。

出産手当金と同じですね。

埋葬料

死亡した時、5万円が支給されます。