会社員などが加入する健康保険と、自営業者などが加入する国民健康保険の間にはいくつかの大きな違いがあります。
- ・扶養制度
- ・労使折半
- ・用途の内容
扶養制度
扶養するとは「主に経済的要因によって自力で生活できない人の面倒をみる」という事です。
例えば働いている夫が、その妻と子供を扶養する、というものです。
この場合、妻と子供(被扶養者)は夫(被保険者)の健康保険に加入することができます。
そして妻と子供は健康保険料を支払う必要はなく、健康保険に加入することができます。
また、配偶者や子供だけでなく、条件が合えば親も扶養することもできます。
扶養される条件としては
- ・同一生計親族
- ・年収130万円未満(60歳以上または障害者は180万円未満)
- ・年収が被保険者(ここでの夫)の1/2未満
を全て満たすことです。
この扶養制度は健康保険にのみ存在し、国民健康保険や後期高齢者医療制度にはありません。
世帯主一人が加入すれば、扶養されている家族も全員が加入できる健康保険と違い、国民健康保険は家族でもそれぞれ一人一人加入して保険料を払う必要があります。
労使折半
労使折半とは社会保険料を事業主と労働者が半分ずつ支払うことを言います。
会社が半分負担してくれるということです。
健康保険料は会社が半分負担してくれるので、自分で負担するのは半分になりますが、国民健康保険は全額自己負担になります。
※大雑把に言うと、健康保険料は給料の約10%なので、会社が5%、自分で5%負担するということになります。
用途の内容
出産手当金と傷病手当金については健康保険にはありますが、国民健康保険にはありません。
その他の病院の受診時、高額療養費制度、出産一時金、埋葬料に関しては健康保険と国民健康保険は同様です。
まとめ
健康保険 | ||
扶養制度 | ○ | |
労使折半 | ○ | |
病院受診 | ○ | ○ |
高額療養費 | ○ | ○ |
出産一時金 | ○ | ○ |
出産手当金 | ○ | × |
傷病手当金 | ○ | × |
埋葬料 | ○ | ○ |
被保険者 | 被扶養者 |
国民健康保険 | |
扶養制度 | × |
労使折半 | × |
病院受診 | ○ |
高額療養費 | ○ |
出産一時金 | ○ |
出産手当金 | × |
傷病手当金 | × |
埋葬料 | ○ |
被保険者 |